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それは深く深く、暗いところで





――それは、演習が始まる暫く前の事



「体の調子はどうじゃ」
「今んとこは問題ねぇ」

暗い闇の中で。
互いの姿も視認出来ず、しかし声は響いていく。

「ならば良い。だが忘れるな、お前の体は依然不安定だという事を」

その言葉に、軽い舌打ちが鳴る。

「・・・分かってるよ、だから今度の演習が終わったらまた休む」
「それで良い。完全に治す為にも、今一度この中に浸かり休め」


僅かに見える、声の主の背後に聳えるのは巨大な筒型の水槽のような装置。


「でなくば、また何れ光の粒子となって消えてもおかしくはないのだからな、お前の体は」
「・・・・・・。」


暗い空間が伝える沈黙に、静かな笑みが響く。

「そう不機嫌になるな、もう子供でもあるまいし。お前の希望を聞いて、今度の演習とやらまでは伸ばしたのだ」
「・・・くそ、わーってるよ。アイツとは、どうしてもケリつけなきゃならねぇんだ」

ぐっ、と拳に硬く力が入る。

「決着をつけられるまでは、休むに休めねぇ」
「・・・結構。しかし、天龍爪の方も扱いは気をつけておくのじゃぞ」
「ん?」
「ん、ではない。その刀も度重なる戦いで疲れている。自己再生能力はあるが、砕ければ元に戻るのに2ヶ月はかかるぞ」
「・・・そっか。じゃぁ、次休む時にコイツも休ませてやらねぇとな。多分、使わずにして済むはずもない」

ぽん、と腰に挿した刀を軽く手の平で叩く。

「最後の大一番だ、宜しく頼むぜ」



その後暫くして。
闇の中には何一つ気配がする事はなく。
只々、静寂だけが支配していた。
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