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とある飛行艇乗りの話

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「あれ?」

お届け物です、そうつげられて届いた小包は。



開けてみれば、何時か俺がそいつに送ったはずのものだった。



「ん…腐っちゃぁ、いねぇみたいだな」

蓋を開け、大きめの氷を入れたグラスへ注ぐ。
漂う香は、かつてそれを手に入れた際に店で漂っていたそのままに。




「ちぇ、何時か飲み明かそうぜって…言ってたんだけどなァ」



フラれちまったか、とグラス片手に腰掛けた窓際から空を見上げる。






セイ王――…




かつての己の呼称に、それを口にしていた人物に思い当たる顔は幾つかあるが、真っ先に浮かぶのはただ一人。


誰よりも元気で、誰よりも真面目で、誰よりも全力で。

「よォ…そっちの空は、景気良く飛べてっか」


溶けてきた氷が澄んだ音を奏でる。
グラスを掲げ、真っ直ぐへ空へと。

「―――乾杯」


――なァ、俺ぁもう玉座も降りたし王じゃぁねぇんだ。無理して呼び続けるこたぁねぇんだぞ?


――でもよ!今更、セイリオスさん、とか!?オレには、セイ王はセイ王なんだよ!






何時かに交わした。
立場もなにものでもなくなった自分に、それを説いても尚、それでも最後まで呼び方を変えなかった。

それは本当の忠義と代えられぬ絆をくれた、ある1人のヒコーキ乗りの男。
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