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魔島への路

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ビエルの冬山を駆け下りて麓で一夜を過ごし、翌日は南下すればバラハンへ続く街道を進む。

途中、通り掛かった乗り合い馬車に乗せてもらい、揺れるままを心地よく愉しみながら。
道中で二夜目を迎えれば、焚き木を囲い乗り合わせた他の客達と談笑する。旅の話をする一方で、彼らが話す日常や旅の話はこれだけの年月を過ぎた今でも新鮮で、面白い。


ビエルを発ってより三日目。

バラハン国内へと進むという乗り合い馬車には途中で別れを告げた。
国内を通り、中での手続きを通して船に乗る方が段違いに安全であり簡単である事は理解していたし、すっかり打ち解けた他の客達からも説かれたが、事情があると話して首を振った。


まだ、アイツらのところに行く“時”ではない。


やや遠回りになるのは承知しつつ、迂回ルートで海岸を目指した。
海が近くなるにつれ、吹き荒ぶ風は再び寒さを増す。

それでも近くまで馬車に乗れたのが幸いだったか。
夕刻を迎える前には、目指す先を見据えられる海岸へと辿り着く。

停泊所のある港へはまだ遠い。



だがここで夜を明かすのも得策でなければ、海から離れれば本末転倒だ。

已む無しかと判断すれば、自らの周囲を強風が囲いその身を浮かす。


やがて宙空へ、風を纏いて飛び上がればそのまま海の向こうに見える島を目指した。

圧倒的な速さはやがて、夜を迎える前に島の端へ我が身を運ぶ。



見上げた空は、どこまでも灰色で。
何時か聞いた話を思い出す。


「…スルトガルム、か。」

それはかつて、目の前に浮かぶ島、灰色の空の下に与えられた国の名前。


ふわりと、地面に降り立って。
入国手続きをすべく、首都を目指して歩き出した。



もう入国してから数日経ったけどな!
こうした旅路話は結構俺は好きな性質。

なるべくその足で歩くのが醍醐味なワケですよ。



そして灰色の空は入国した時と。
昔を知る人の入国でふと思い出した。

まさか、な。


以下溜め込んででやらないかん事リスト

■アガットからのバトン
■千歳の手記へのリンク
■魔島観察
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