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無題

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男は此処暫くまで、部屋に塞ぎこんでいる事が多かった。

外に出てフラフラとする事が多い男にとって、その行動は酷く珍しいものだったかもしれない。



「………。」
彼女の話を聞き、それに対し自分の思うところを告げて。
それから暫く、男は部屋に塞ぎこんだ。

所属する国こそ移り変えしたが、そこに早々顔を出す事もなく。


彼女の決めた事に反対をする自分は居なかった。
彼女の立場が自分であれば、恐らく同じように思うだろうと考え至ったならば尚更に。


かつて似たようなことがあった時に珍しくも激昂したのは、今になって改めて思い返せば。
自らが彼女にとって、僅かでも楔にも成れてない事が悔しいと同時にその程度の存在ならその後に自らの縁が残る事に意味なんて無い、と思ったからだろう。
それぐらい、大事だと想えていた。

今、それが無いわけではない。
それとは状況も理由も違う。

だが、その後に領主としての仕事の往復ばかり眺めていた自分にとって、その楔が大きくなれば少しは変わるのだろうかとも考えていた部分もある。

それも今となっては、告げたところでむしろ逆効果なのだろう。最後の彼女の反応を見る限りは。




心底惚れた相手ほど、自然に永く共に在れないのは自分の運命なのか。

「…女難の相でもあんのかね、俺」

男が引き篭もっていた部屋から出たのは、もう少し先の話。
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