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風の武装

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スペクトラルタワー。
その中にある、「ドラゴンの巣窟」では力試しや宝を求めて数多くの冒険者が足を運ぶ。


男もまた、鍛錬を兼ねてそこに居た。




対峙するのは、巣窟に出没するドラゴンの中でもトップクラスの強さを持つホワイトドラゴン。

「ガアァッ!!」

人程度など一飲みするであろう顎を、寸でのところで脇に避ける。
そのまま片足を軸に体を捻ると、もう片足で『風を纏わせた』ハイキックを喉元に向けて放つ。


響くは轟音。


叫びと共によろめく巨体。

同時に、距離を空けて「着地」する男。

「…やっぱ、慣れてねぇとこだと反動が制御できてねぇな」





ヒントは、年末の闘いにあった。

男が十八番とする風の拳を剣に変えて、似せて放ったあの技を見て。

部位を問わず、同様の事が出来れば自らの闘い方の幅はまた大きく変わる答えを得た。



「けど今のままじゃぁ、火力不足だ」


それは、その後に闘った相手から得た答えでもある。
元々もパワータイプでもない。それを自覚した上で、数と技で補ってきたところはあった。
それでも、実力が切迫した相手になればなる程、数と技は通じなくなる。
格上になろうものなら尚更だろう。

それこそ、一撃一撃にもっと火力が要る。


故の、鍛錬。

だが今の一撃の結果は、爆風の反動で身体が跳ね飛ばされてしまった。
拳で撃つ「爆旋一揆・零式」ではこのような事はない。既にそうならない制御を無意識下に覚えて出来ているからだ。

同じように、他の部位も制御出来なければならない。


「とにかく、慣れてくしかねぇな」

渦巻き始めた風が、左右の拳と両足に宿る。


迫る爪と豪腕を掻い潜り、左拳で脇へ殴りつける。
同時に弾かれる体を空中で捻り、喉元へ足へ回し蹴りを放てば、反動で地面に叩きつけられそうになる。

それを左手で弾き、転がるように竜の下から這い出れば横腹を蹴り付けて。

3発も入ればその巨体も吹き飛ぶ。



そこへ追い縋るように地を蹴れば、残った十八番の右拳を叩きつけた。


「ギャォオオオオオオオオッ」


岩壁を抉るように叩き付けられ。
崩れ落ちた巨体が動く事はもうなかった。




「…反動がある内は、逆にそれを勢いとして利用するしかねぇな。けど、これを会得出来れば――」

ぐっ、と拳を握る。

後にそれは『風神爆旋連武』と名付けられた。
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