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窓辺に見上げる月

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夜。
部屋の窓枠に腰掛け、そこから覗く月を見上げた。


吹き抜ける風は生温く、高い湿度はじんわりと汗を流させる。

「…もう、6年は経つんだな」







この地に降り立ってから。
大なり小なり、常に闘いが身近にある場所へその身を置いてきた。


長く、永く。


今の放浪生活をするようになり。
アテのない旅のように各地を渡り歩く中で。

だが目的は自らの中に秘めて確かにあった。




「…俺の求める相手はもう、多分この世界に数少ない」


強者を求めた。
だがそれはただ純粋に戦えるものではなく。
ただ実力を数値に変えて測った相手でもなく。

自らの魂を以って、その強さを示せる者を。



そうして。
戦い抜いてきたこの人生を今ふと振り返る。


自分はいつこの剣を手放すのだろう、と。


何時かはきっと、その手から離す時がくるだろう。
それは自らの命と引換えにではなく。
そしてただ1つの例外を除いて。








「…俺は、誰かをまだ護れるよな。――――いや」



―――護りたいんだ。

彼女を。自分の仲間を、友を。
その手が届く限り。



幾度となく。
その手は届く事がなくて。
するりと、遠のいてしまった手は幾つもある。

それはどうしようもない事だった。
自分がどうにか出来る事でもなかった。





「それでも」


それでも、この手が届かない事を悔やまなかった事はない。



何度失っても。何度その度に絶望しても。
いつかはきっと護れると。



そう信じて歩いてきた。
そして歩いていく。これからも。



「……」


何よりも、失う事を恐れているから。
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