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とある飛行艇乗りの話

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「あれ?」

お届け物です、そうつげられて届いた小包は。



開けてみれば、何時か俺がそいつに送ったはずのものだった。



「ん…腐っちゃぁ、いねぇみたいだな」

蓋を開け、大きめの氷を入れたグラスへ注ぐ。
漂う香は、かつてそれを手に入れた際に店で漂っていたそのままに。




「ちぇ、何時か飲み明かそうぜって…言ってたんだけどなァ」



フラれちまったか、とグラス片手に腰掛けた窓際から空を見上げる。






セイ王――…




かつての己の呼称に、それを口にしていた人物に思い当たる顔は幾つかあるが、真っ先に浮かぶのはただ一人。


誰よりも元気で、誰よりも真面目で、誰よりも全力で。

「よォ…そっちの空は、景気良く飛べてっか」


溶けてきた氷が澄んだ音を奏でる。
グラスを掲げ、真っ直ぐへ空へと。

「―――乾杯」
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風雲武館 対ラヴェンディラ

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アクサスにて設置されていた「風雲武館」にて。
ラヴェンディラとの一戦を下記に。


■Rule壱
基本的に1対1での試合とする
互いに生命点20を持ち点とし
レスの秒数1の位を使用して相手の点数を削りあう

例:乙のレスの秒数が38の場合、甲はHPを8点失う

■Rule弐
複数の仕合時に混乱しないようレスタイトルは
○○対○○ ○ターン先攻(後攻)とすること

■Rule参
レス秒数を使う為
公正を期すよう攻撃RPは1turn1レスとする

■Rule四
対戦中 48時間以内にレスが無い場合は
戦う意思を削がれたと言う事でその者を負けとする

■Rule五
行き過ぎた非難中傷、罵詈雑言を禁ずる
儀礼は不要だが相手を尊敬する心構えを持つべし

■Rule六
対戦相手は別スレの待合室で探すこと
待合室スレ:【風雲武館】 待合室 【雑談歓迎】

■Rule七
要望や改善案などは待合室にて
不明な点も待合室で遠慮なく


―風雲武館 対戦ルールより
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そして暫しの眠りの時

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ラストダンスは自宅で踊り終えて。

自室で一人、棚に置いてあった蒼の銘酒が無くなった跡を見つめる。



色々あった。
覚え切れていない事は幾つもあって。
忘れられない事を支える頭は何時だってパンクし掛けてて。


ただ自分は、前に進む事しか知らなかった。



不器用で無礼者で下手糞で。
だから単純な事をただただ、貫き通す。





――ぐらり、と視界が揺れた。

どうやら、タイムリミットが訪れたらしい。

彼女に怪我の痕はバレなかっただろうか。何時もより踏ん張ってたつもりだが、力の無さに気付かれずに済んだだろうか。それで踊れなくなる事だけを心配していた。


だけどもう、今は

「年明けには、起きれるといいんだが――なぁ」

横になる。
その目を閉じて、その脳裏に旅立つ鳥から舞い落ちたひとひらの羽を映しながら。
何時もより少し永く必要な、眠りに落ちた。
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窓辺に見上げる月

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夜。
部屋の窓枠に腰掛け、そこから覗く月を見上げた。


吹き抜ける風は生温く、高い湿度はじんわりと汗を流させる。

「…もう、6年は経つんだな」




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Gong

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会場へ続く、階段を上がる。

「考えてみりゃぁ…もう去年の話か」

あの時、何時か勝負をしようと。
そう約束した。

「いけねぇな、すっかり忘れそうになってたぜ」

それは相手も、偶々似た話から思い出した風ではあったが。
呟く言葉と共に浮かぶ笑みは、しかして普段のものとは違う。

闘気に満ちた、獰猛なる獣の笑み。

階段を上がり終えた先、舞台へと上れば目を閉じる。
この季節の風は冷たく肌を刺すようだったが、熱に満ちた今の自分には逆に心地良い。
暫くして、反対側から現れる相手の気配に気付けば目を開いて。

「さぁ、一年越しの勝負だ…始めようぜ?」

前後に半歩分、開いて構える。

「さて、久々のこの身体よ。どこまで動くかね」

上背こそ勝るも、体格の頑強さと実力は決して侮れない。
紅く鈍く光るガントレットを構えたスタンリー。


冬空の下で、約束の鐘が鳴る。